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からだ想い整体院めぐりの鈴木です。
「雨の日になると頭が重い…」
「気圧が下がるとめまいやだるさが出る」
そんな天気による不調、ありませんか?
実はそれ、気象病と呼ばれる状態で、耳の奥にある“気圧センサー”と自律神経のバランスが関係しています。
■ 気圧の変化を感じ取る「耳のセンサー」

人の体には、気圧や揺れを感知するセンサーが存在します。それが「内耳(ないじ)」です。
内耳は三半規管や前庭と呼ばれる器官で、私たちの体のバランスや傾きを常にモニタリングしています。
つまり、内耳は“気圧センサー”であり“バランスの司令塔”。
この内耳が気圧の変化を感じて脳に信号を送るのですが、センサーの働きが過敏になっていると、少しの気圧の変化でも脳がストレス反応を起こしてしまいます。
結果として、
・頭痛
・めまい
・耳のつまり
・倦怠感
・気分の落ち込み
といった症状が出るのです。
■ 「耳の働き」が乱れる理由
内耳のセンサーが過敏になる背景には、生活の中で積み重なる“体のストレス”があります。
主な原因を挙げると——
首・肩のこりによる血流の悪化
長時間のスマホ姿勢や浅い呼吸が続くと、首の筋肉が硬くなり、耳への血流が低下します。
自律神経のアンバランス
交感神経(オン)が強すぎると、耳の毛細血管が収縮し、酸素不足に。
副交感神経(オフ)に急に傾くと今度は血管が拡張してむくみやすくなる。
呼吸の浅さによる二酸化炭素不足
浅い呼吸が続くと血中のCO₂が減り、末梢の血管が収縮。
内耳の血流が安定しなくなります。
内耳リンパの循環不良
睡眠不足やストレスで自律神経が乱れると、リンパ液の流れが滞り、“耳の中の圧”が上がります。
栄養・エネルギー不足
耳の細胞はエネルギーを多く使うため、鉄・ビタミンB群・マグネシウムなどが不足すると働きが鈍くなります。
こうして内耳の“感度”が上がりすぎた状態で気圧が変わると、本来なら軽微な刺激でも、脳が「異常」と判断してしまう。
これが「気象病」の正体のひとつです。
■ 気象病は「気圧」が悪いのではなく、「反応しやすい体」が問題
気象病の症状は、天気そのものが原因ではありません。
本当の問題は、外部環境の変化(=気圧)に適応できない体の状態にあります。
たとえば、
・呼吸が浅い
・姿勢が崩れて首が前に出ている
・睡眠リズムが乱れている
・ストレス過多で交感神経が優位
こうした状態が重なると、体が“いつも緊張したまま”で、微細な変化にも過敏に反応してしまいます。
■ 整えるカギは「耳と呼吸」
自律神経と耳のセンサーは密接に関係しています。
呼吸のリズムが整うと、神経のリズムも安定し、耳への血流も自然とスムーズになります。
日常でできるケアとしては——
・朝起きたら朝日を浴びて体内時計を整える
・首をゆっくり回す、耳を軽く引っぱる
・3秒吸って7秒かけて吐く「長い呼気の呼吸」
・寝る前のスマホをやめ、深呼吸して眠る
どれもシンプルですが、“体が環境に反応しすぎない”土台を作る第一歩です。
■ 実は「耳と足」もつながっている?
意外に思われるかもしれませんが、耳の不調と足の硬さ・循環の悪さには深い関係があります。
足首やふくらはぎの筋肉は「第二の心臓」とも呼ばれ、血液やリンパを心臓へ押し戻すポンプの役割をしています。
この流れが滞ると、全身の循環が悪くなり、頭や耳への血流・リンパの戻りも低下してしまいます。
つまり、“下の滞りが上の詰まりを生む”ということです。
さらに、東洋医学では「腎」が“水(=体液)のめぐり”を司るとされ、その経路(腎経)は足の裏から始まり、内くるぶし・ふくらはぎ・太ももを通って体幹へとつながっています。
つまり、耳と腎をつなぐ“ルートの起点”が足にあるのです。
足裏の「湧泉(ゆうせん)」というツボは腎経のスタート地点。

ここを刺激すると体全体の巡りが整いやすく、“下から流す”ことで“上(頭・耳)のつまり”が軽減するケースもあります。
生理学的にも、腎臓は体液・電解質・血圧のバランスを保つ臓器。
つまり、「足の循環」も「耳の圧バランス」も、腎系を介してひとつの循環システムとしてつながっているのです。
足元の硬さや冷え、むくみを放置していると、耳や頭にかかる圧の逃げ場がなくなり、気圧変化の影響を受けやすくなる。
逆に、足から整えることで、“耳が軽くなる”“頭の重さが減る”という人は少なくありません。
この点については、次回のブログで詳しくお話しします。
→【足から整える気象病対策】呼吸と足のつながりが「めぐる体」をつくる
■ まとめ
気象病は「天気が悪いから起こる」のではなく、「体のセンサーが疲れている」サイン。
呼吸、姿勢、血流、そして耳。
それぞれのバランスを整えることで、天気に左右されない体を取り戻すことができます。