前回のブログ
→【天気で不調になるのはなぜ?】 気象病と“耳のセンサー”の関係
で、気圧の変化による不調=「気象病」の正体が、耳のセンサー(内耳)と自律神経のバランスにあることをお話ししました。
今回はその続きを。
外からの変化に負けない“めぐる体”をつくるには、実は 「足」 が欠かせません。
■ 足は「下半身のポンプ」

ふくらはぎの筋肉は“第二の心臓”とも呼ばれています。
血液やリンパを下から上へと押し戻す働きがあり、このポンプがうまく働かないと、全身の循環が滞ります。
足首やふくらはぎが硬い人ほど、「むくみ」「冷え」「だるさ」などの症状を感じやすいのはこのためです。
特に、長時間のデスクワークやスマホ姿勢では、足首が固定され、ふくらはぎのポンプ機能が働きにくくなります。
結果として、下半身に滞った血液やリンパが心臓へ戻りにくくなり、脳や耳、目の周囲など“上半身の圧バランス”にも影響を及ぼすのです。
■ 実は「耳と足」もつながっている?
意外に思われるかもしれませんが、耳の不調と足の硬さ・循環の悪さには深い関係があります。
足首やふくらはぎの筋肉は、血液とリンパを押し戻す“下からの循環ポンプ”。
この流れが滞ると、頭や耳への血流・リンパの戻りも悪くなり、内耳の圧バランスを保つ機能にも影響が出ます。
さらに東洋医学では、「腎」が水(=体液)のめぐりを司るとされ、その経絡(腎経)は足の裏から始まり、内くるぶし・ふくらはぎ・太ももを通って体幹へとつながっています。

つまり、耳と腎をつなぐ“ルートの起点”が足にあるというわけです。
足裏のツボ「湧泉(ゆうせん)」は腎経のスタート地点。
ここを刺激することで体全体の循環が整いやすくなり、“下から流すことで上の詰まりを取る”という考え方にもつながります。
■ 呼吸と足の連動を意識する
呼吸と足の動きは、実はとても深くつながっています。

息を吸うとき、横隔膜が下がってお腹の圧(腹圧)が高まり、息を吐くときには横隔膜が上がって静脈の流れ(還流)が促されます。
つまり、呼吸のリズムそのものが“全身の循環ポンプ”になっているのです。
さらに、吐く呼吸に注目してみましょう。
息を吐くと、肋骨が内側へ締まり(内旋)、体幹が安定します。
このとき、上半身の重さがしっかりと下半身へ伝わり、足首(距腿関節)が“はまり込む”ように機能し始めます。
――ここからは、もう少し踏み込んだ話をすると(踏み込む動作だけに…)。
歩行でいうと、かかとが着いてから体重が前に移る「立脚中期」にあたる場面。
体が前へ進むにつれて脛骨(すねの骨)が前に倒れ(前傾)ることで、自然と足首が曲がる(背屈する)動きが起こります。

この“背屈”(=脛骨の前傾)によってふくらはぎの筋肉や腱が軽く引き伸ばされ、反射的に働くことでポンプの役割が高まります。
つまり、「呼吸で体幹が安定する → 重さが下に伝わる → 足が正しく機能する」という流れができているわけです。
では、逆に呼吸が浅い人はどうでしょう?
肋骨が開いたまま閉じず、体幹が不安定になります。
その結果、上半身の重さを下に伝えられず、足首が固まって動かなくなる。
足が使えない=ふくらはぎのポンプ作用が働かず、全身の循環が滞りやすくなるのです。
実はこれが、気象病で「むくみ」「頭の重さ」「だるさ」が出やすくなる大きな原因。
呼吸が浅い → 足首が動かない → 血液やリンパが滞る → 気圧変化に影響を受けやすい体になる。
つまり、息をしっかり“吐ける”ようになることが、足から巡る体を取り戻す第一歩なのです。
■ 今日からできる「足から整える」セルフケア
ここまで読んで「なるほど」と思った方に、まず実践してほしいのが“呼吸と足の連動”を体で感じることです。
ここでは、足から全身の巡りを整えるためのシンプルだけど効果的なセルフケアを3つご紹介します。
① つま先立ち呼吸
立ったまま、吸いながらかかとを上げてつま先立ち/吐きながらゆっくり戻す。
上がる動きよりも、下ろすときのゆっくり感が大切です。
下ろす瞬間にふくらはぎの筋肉が“伸びながら働く”ことで、血液を押し戻すポンプ作用が最大限に発揮されます。
呼吸と合わせることで、全身の重さを下に伝えやすくなり、体の中の圧(血圧・腹圧・静脈圧)が整いやすくなります。
→ ポイント:
「吸って持ち上げる」「吐いて戻す」このリズムが、呼吸と足をつなぐスイッチです。
② 足首の背屈ストレッチ
壁に手をついて立ち、片足を一歩後ろへ。
前の足のかかとは床につけたまま、ゆっくりと前の膝を前方へ倒します(10秒キープ × 3セット)。
息を吐きながら、ふくらはぎの奥がじんわり伸びるのを感じましょう。
この動きは、歩行中の「立脚中期」に近いポジションで、足首が自然に曲がる(背屈する)動作を再教育する練習になります。
足首が動くようになると、ふくらはぎのポンプ作用が回復し、循環の流れが一気にスムーズになります。
→ ポイント:
呼吸と合わせて行うと、より効果的です(吐く時に膝を前へ)。
③ 湧泉(ゆうせん)刺激
足裏の中央より少し指寄りにある「湧泉(ゆうせん)」を、親指で5〜10秒ほどゆっくり押してみましょう。

ここは東洋医学で“腎経”のスタート地点とされ、水分代謝や血流、ホルモンバランスの調整にも関わるツボです。
冷えやむくみ、頭の重さを感じるときに行うと、体の下からめぐりを整えるサポートになります。
お風呂上がりや寝る前の習慣として取り入れるのもおすすめです。
■ まとめ
足を動かすことは「下からの循環」、
呼吸を整えることは「内側からの循環」。
どちらか一方ではなく、両方をつなげて“巡る体”をつくることが、気象病を根本から整えるための第一歩です。
「自分に合った整え方を知りたい」
「体の連動を見てほしい」
そう感じた方は、ぜひ一度ご相談ください。
私たちが全力でサポートします。
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博多からだ想い整体院めぐり
〒812-0011
福岡県福岡市博多区博多駅前3丁目12-3
玉井親和ビル 3-B
執筆者:鈴木 貴英(柔道整復師・トレーナー)
呼吸と動作の再教育を専門とし、慢性痛・自律神経・姿勢改善にアプローチ。
「体の感覚を取り戻す」ことをテーマに、心身の調和をサポートしています。
