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【呼吸のお話②】〜酸素が足りないのに“過呼吸”?〜

博多駅から徒歩8分
からだ想い整体院めぐりの鈴木です。

今回は「酸素が足りないのに“過呼吸”?」という、一見矛盾したようなテーマでお話しします。

「息苦しい」「酸素が足りない気がする」と感じると、多くの人は反射的に“もっと吸おう”とします。

でも実は、その「たくさん吸う」行為こそが、体をさらに“酸欠状態”に追い込んでいるのです。


「過呼吸」ってどういう状態?

「過呼吸」とは文字通り、“呼吸をしすぎる”こと。
不安やストレス、緊張、姿勢のくずれなどによって呼吸が浅く速くなり、体が必要とする以上に空気を出し入れしている状態です。

呼吸をたくさんすると、肺にはたくさんの酸素が入ります。でも、その分だけ体内の二酸化炭素(CO₂)がどんどん排出されてしまう。

実はここが大きな落とし穴。
CO₂が減りすぎることで、血液中のpHバランスが変化し、酸素が“細胞に届かない”状態になるのです。


酸素があるのに使えない?その理由

血液の中では、酸素は「赤血球のヘモグロビン」にくっついて運ばれています。

その酸素を手放すスイッチとなるのが——CO₂の存在

CO₂が適度にあることで、ヘモグロビンが酸素を細胞に渡しやすくなる。この仕組みを「ボーア効果(Bohr effect)」といいます。

ところが、過呼吸でCO₂が減ると、ヘモグロビンが酸素を離さなくなり、血液中には酸素が十分あっても、筋肉や脳には届かない“隠れ酸欠”が起こります。

結果として、体は「酸素が足りない」と感じて、さらに呼吸を増やしてしまう——。

これが、過呼吸の悪循環です。


息苦しさ=「酸素不足」ではなく「CO₂不足」

多くの人が「息苦しい=酸素が少ない」と誤解しています。

実際はその逆で、CO₂が少なすぎることが原因の場合が多い。

CO₂が少なくなると、
血管が収縮して脳への血流が減り、めまい・手足のしびれ・頭のボーッと感などが出てきます。

つまり、「息苦しさ」は酸素を吸えない苦しさではなく、酸素を届けられない苦しさなのです。


なぜ現代人は過呼吸になりやすいのか

現代人の生活環境は、過呼吸を起こしやすい条件がそろっています。

  • デスクワーク中心で胸郭が固まりやすい

  • ストレスや不安で交感神経が常に優位

  • 口呼吸の習慣(鼻呼吸の機能低下)

  • スマホ姿勢で頭部が前に出ている

これらはすべて「浅く速い呼吸」を助長します。
つまり、呼吸の“質”が低下し、CO₂を保持できない状態です。


過呼吸を防ぐための第一歩:「吐く」と「止める」

呼吸を整えるには、「吸う」よりも「吐く」こと。
そして、吐いたあとに少し“止める”ことが鍵になります。

この「止める」フェーズが、CO₂を体に残す時間をつくり、ヘモグロビンが酸素を細胞に渡す余裕を生み出します。

🟢 5-5-5呼吸法(慣れたら10-10-10へ)

  1. 鼻から 5秒吸う

  2. 口から 5秒吐く

  3. 吐いたあとに 5秒止める

「止める」時間をつくることで、CO₂への耐性が少しずつ高まり、“吸いたい衝動”をコントロールできるようになります。

続けていくと、呼吸の回数そのものが減り、一回の呼吸がゆったり深くなる。

その結果、脳も筋肉もリラックスした状態が保ちやすくなります。

👉 関連記事:【呼吸のお話】呼吸は減らせ!


「過呼吸体質」から抜け出すために

過呼吸は一時的な現象ではなく、日常の「呼吸習慣」が形づくった体のクセです。

  • 緊張すると肩が上がる

  • 常に胸が動いている

  • 呼吸を止めるのが苦手

こうした特徴がある人は、CO₂耐性が低く、呼吸のコントロールが苦手になっています。

焦らず、「鼻で吸う・長く吐く・止める」を意識して、1日数分でも続けることが重要です。

呼吸の質が変われば、自律神経・姿勢・睡眠までも整っていきます。


まとめ:吸うより、届ける呼吸へ

「息苦しい」ときほど、吸うよりも“静かに吐く”こと。
呼吸は量ではなく、届ける力が大切です。

CO₂を敵ではなく味方にすることで、呼吸は穏やかに、そして効率的になります。

たくさん吸うより、静かに整える——。
それが、本来の呼吸のリズムなのです。


🧩 関連記事(呼吸カテゴリー)

【呼吸のお話①】〜呼吸は減らせ!〜

【呼吸のお話③】〜呼吸が浅い人の共通点〜

【呼吸のお話④】〜呼吸と自律神経の関係〜

【呼吸のお話⑤】〜鼻呼吸トレーニングの基本〜

【呼吸のお話⑥】〜呼吸が姿勢を変える〜


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執筆者:鈴木 貴英(柔道整復師・トレーナー)
呼吸と動作の再教育を専門とし、慢性痛・自律神経・姿勢改善にアプローチ。
「体の感覚を取り戻す」ことをテーマに、心身の調和をサポートしています。

鈴木貴英

鈴木貴英

【柔道整復師・トレーナー】 呼吸と動作の専門家として、姿勢・呼吸・自律神経・パフォーマンスの関係性をもとに、整体とトレーニングを組み合わせた「呼吸×動作アプローチ」を行っています。 どこに行っても良くならない慢性的な痛みや不調、自律神経の乱れ、姿勢や動作を改善し、人生のパフォーマンスアップを目指します。

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