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【呼吸のお話①】〜呼吸は減らせ!〜

博多駅から徒歩8分
からだ想い整体院めぐりの鈴木です。

今回は「呼吸は減らせ!」という、少し刺激的なテーマでお話しします。

「深呼吸をすればリラックスできる」
「たくさん吸うと体に良い」——そう思っていませんか?

実は、呼吸を“しすぎている”ことが、体の不調を招いているケースが多いのです。


あなたの呼吸は多い?少ない?

「呼吸を減らす」と言われても、そもそも“多い・少ない”ってどういうこと?と思う方も多いでしょう。
まずは自分の呼吸がどんな状態なのか、簡単にチェックしてみましょう。

✅1分間呼吸チェック

  1. 静かに座って、自然な呼吸をします。

  2. 時計を見ながら、1分間で何回呼吸しているかを数えましょう。
     ※「吸って吐く」で1回です。

結果はどうでしたか?

  • 6〜8回/分:理想的な呼吸数。体がリラックスし、副交感神経が優位な状態。

  • 9〜12回/分:やや速めの呼吸。集中している時や軽い緊張状態によく見られます。

  • 13回以上/分:呼吸過多(オーバーブリージング)の傾向があります。

多くの現代人は、無意識に1分間に10〜20回も呼吸しており、常に「戦うモード(交感神経優位)」のまま過ごしています。

この状態では、いくら深呼吸しても、酸素が十分に体に行き渡りません。


呼吸が多いのに酸素が足りない?

一見、「たくさん吸えば酸素が増える」と思われがちです。

しかし、呼吸のしすぎ(オーバーブリージング)は逆効果。

息をたくさん吸って吐きすぎると、体内の二酸化炭素(CO₂)が過剰に減ります。すると血液のpHがアルカリ性に傾き、赤血球が酸素を手放しにくくなる。

これが「ボーア効果(Bohr effect)」と呼ばれる現象です。つまり、「酸素は吸えているのに、細胞に届いていない」状態。

呼吸が多いほど酸欠が進む——これが現代人の“呼吸のエラー”です。

なぜそんなことが起きるのか?
そのカギを握っているのが、二酸化炭素(CO₂)です。


呼吸の量が多い=CO₂耐性が低い

1分間の呼吸回数が多い人は、一回一回の呼吸が浅く、酸素を取り込みすぎて、CO₂(=二酸化炭素)が少なすぎる状態です。

本来、CO₂は「いらないガス」ではなく、呼吸のバランスを整える大切な信号。このCO₂が減りすぎると、血液中の赤血球が酸素を手放しにくくなります。

つまり、「酸素は吸えているのに、細胞には届いていない」状態です。

その結果、体は酸素不足を“息苦しさ”として感じ、「もっと吸わなきゃ」と反射的に呼吸を増やしてしまう。

➡ 呼吸の回数が増える
➡ CO₂がさらに減る
➡ 酸素が届かず、また吸いたくなる

——この悪循環が、無意識のうちに定着していくのです。

これが、いわば「呼吸のエラー」。
本来の呼吸リズムが乱れ、体内のセンサー(化学受容器)が「息が足りない」と誤って判断してしまう状態です。


CO₂耐性を高める「5-5-5呼吸法」

こうした悪循環を断ち切るには、CO₂への耐性を高めることが大切です。つまり、息をゆっくり吐くだけでなく、吐いたあとに少し“止める”こと。

🟢 基本の5-5-5呼吸法(慣れてきたら10-10-10へ)

  1. 鼻から 5秒かけて吸う

  2. 口から 5秒かけて吐く

  3. 吐いたあとに 5秒止める

この“止める”フェーズが、CO₂への耐性を育てるステップです。

最初は少し苦しく感じるかもしれませんが、それは脳が「CO₂が増えた」と判断して息を吸いたくなるだけ。

少しずつ慣らしていくことで、呼吸の許容量(=耐性)が高まっていきます。
慣れてきたら、10-10-10(吸う10秒・吐く10秒・止める10秒)を目標に。
たった数分でも、体の深部が静まり、脳が“安心している状態”を再学習します。

結果として——
・呼吸の回数が自然と減る
・息を吸いたくなるタイミングが遅くなる
・体が落ち着きやすくなる
といった変化が起こります。

👉 関連記事:【呼吸のお話】鼻呼吸トレーニングの基本


呼吸を減らすメリット

呼吸が整うと、体の中でさまざまな変化が起こります。

  • 頭がスッキリして集中力が高まる

  • 肩・首の力が抜けやすくなる

  • 心拍数が落ち着き、緊張がやわらぐ

  • 自律神経のバランスが整う

  • 睡眠の質が改善される

呼吸は、筋肉や内臓、脳の働きをコントロールする“リズム”です。だからこそ、呼吸の乱れは全身の乱れに直結します。

👉 関連記事:【呼吸のお話】呼吸と自律神経の関係


呼吸を整えることは、自分を整えること

呼吸の乱れは、心の乱れでもあります。

ストレスや不安を感じると、自然と呼吸は浅く速くなり、その呼吸がさらに体を緊張させる——そんな悪循環が起こります。

しかし、呼吸を整えると脳の「扁桃体(不安中枢)」の活動が落ち着き、安心・安全を感じる神経回路が再び働き出します。

つまり、呼吸を整えることは「自分を取り戻す」ことでもあるのです。


まとめ:少ない呼吸で、深く生きる

呼吸は意識せずとも続いていますが、少し整えるだけで体も心もまったく違う状態になります。

たくさん吸うより、静かに・ゆっくり・少なく。
そして、吐いたあとに“止める”勇気を。
その一瞬の静けさが、あなたの中の余白を取り戻します。

今日から1分間、自分の呼吸を感じる時間をつくってみてください。
きっと体の内側で、何かが変わりはじめます。


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【呼吸のお話②】〜酸素が足りないのに“過呼吸”?〜

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【呼吸のお話④】〜呼吸と自律神経の関係〜

【呼吸のお話⑤】〜鼻呼吸トレーニングの基本〜

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執筆者:鈴木 貴英(柔道整復師・トレーナー)
呼吸と動作の再教育を専門とし、慢性痛・自律神経・姿勢改善にアプローチ。
「体の感覚を取り戻す」ことをテーマに、心身の調和をサポートしています。

鈴木貴英

鈴木貴英

【柔道整復師・トレーナー】 呼吸と動作の専門家として、姿勢・呼吸・自律神経・パフォーマンスの関係性をもとに、整体とトレーニングを組み合わせた「呼吸×動作アプローチ」を行っています。 どこに行っても良くならない慢性的な痛みや不調、自律神経の乱れ、姿勢や動作を改善し、人生のパフォーマンスアップを目指します。

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